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犬脱走

西天満「かわず」でランチ中
質美の人から

「お前とこの犬外に出てるぞ」と電話。
「いや、今、大阪やし…」

電話によると、豪雨、雷の質美。
ビビったフルールは家の裏口から大脱走。
クルマに轢かれる、
猟師に撃たれる
頭をよぎるこの二択…。
七年健康に育ててこんな終わり方なのか？

予定を切り上げ…こちらから電話。
「豪雨で外が見えへん、見あたらへんじょ」
迷子、保健所、殺処分…
七年健康に育ててこんな終わり方なのか？

再び電話が鳴る…
「家の前にズブ濡れで座っとるじょ」
帰ってはきたらしい…
でも彼女は(裏から)出れても、(表からは)入れない。
質美まで、まだ二時間はかかる…

今度はLINEが入る。

「さく」

「柵よけたら家の中、入って行きました」

『犬脱走』〜エピローグ〜「お前、入れよ〜！」と言うたんやけど。
柵に近づいても戻って来て
「うち、開けられへんねん」
言うてるみたいやったから、
柵よけたらこっちを見向きもせず家の中にずぶ濡れのままス〜って入って行ったじょ。
ホンマハラタツ〜(笑)

隣のおばぁ「イヌ出とらんかったか〜」
（「あ、見ましたか？」）
「雨ふりよんのに…あんた、どこ行くのんな〜？」って言うても
チラッとこっち見てそのままあっちの方に行ってしもうた
帰って来れるんかぁ思て心配しとった〜

この日は朝から材木屋さんに行く予定だったので、
作業着のままクルマに乗り込んだ。
「作業着でクルマ」は田んぼというフルール脳。
雷が鳴って不安になって、家を抜け出し田んぼに行ったのだろう、
途中、おばぁに声を掛けられるも、
「あ、でも、父ちゃんたち田んぼにいるから、大丈夫〜」
スッス〜ス〜ってな感じで。
ところが、田んぼにはふたりの姿が見あたらない。
「あれ〜」
いつもの散歩コースを回りながら、人を見つけては
「父ちゃんたち、知らん？」と確認してたんだそうです。
で、諦めて帰ってきたら、
「あっ、うち入られへん…（溜め息）」

やっとこさ帰って来た私たちを、家から出てきて全力で出迎えるちょっと湿ったフルール。
そんなフルールを知らんぷりせずに見守り、声をかけて下さった村のみなさんにほんとうにありがとう。